2022年4月23日、知床観光船カズワンが沈没するという事故が起きたました。
知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」沈没事故で、海上保安庁は1日朝、網走港に運ばれた船体を陸揚げしました。その際、船底に大きな“穴”や“亀裂”があることが確認されだということです。 これまでの水中カメラや潜水士による調査で、海底に船体が沈んでいたときにも、少なくても船体の左側の船底に3か所もの“穴”が開いていることがわかっていたようです。しかし、船底の穴が不自然すぎるというものです。
5月2日、事故で死亡した22歳の男性の告別式が北海道帯広市で営まれ、斎場には智也さんの写真や彼女に用意していた手紙を写した写真が飾られています。手紙は智也さんの車の後部座席のシートの下に、プレゼントとして用意したネックレスと共に残されていたということです。しかし、未だに彼女と指輪は見つかっておらず創作中、遺族の同意を得て全文を公開されましたが、本当は智也さんが手紙の内容を暗記していて、プロポーズをし、指輪を渡した直後の事故だったかもしれません。
4月28日に海上で見つかりその後、死亡が確認された北海道北見市の鈴木智也さん(22)の葬儀が5月1日、実家のある帯広市内で営まれました。そして、父親の悲しい思いを伝えています。
いまだ行方不明の船長の名前が「豊田徳幸」さんであることが判明し、顔画像を公開、更に事故当日、出港直後に撮影されたとみられる映像を公開しています。
また、2022年4月27日15時30分より、知床遊覧船沈没事故の発端、黒幕の知床遊覧船会社社長、桂田精一の会見の模様を公開しています。
そして、第1管区海上保安本部は29日、カズワンの発見場所について「カシュニの滝」から西北西に約1キロの海域だと発表し、水深は約120メートルで、発見時刻は29日午前11時7分ごろとしていて、翌日30日から沈んでいるカズワンの引き上げの準備とともに行方不明者の捜査もはじまりました。
今後の活動や明らかになってきた今現在の状況をお伝えしています。
観光船KAZU I沈没原因は船底の穴



午前7時15分ごろ、吊り上げ開始
5月27日、知床半島の沖合で沈没した観光船。水深120メートルから引き揚げられ『KAZU1』は、えい航中、再度、180メートルの海底に落下してしまいましたが、サルベージ会社の作業船によって引き揚げが成功し、海上保安庁は1日朝、網走港に運ばれた船体の陸揚げを開始、ブルーシートに覆われた船体にベルトを巻き、網走港まで運んだ作業船「海進」のクレーンが吊り上げて、大型トレーラーに用意された台座の上に載せ、およそ400メートル離れた保管場所に向けて、大型トレーラーが運んだということです。
こちらは、午前9時ごろ、トレーラーで保管場所に移送開始の画像です。
保管場所に移送のため、吊り上げられた時の画像ですが、この時に船底に亀裂と穴が確認できたとのことですが、本当に天災によるものなのでしょうか。

こちらは、船底で確認された“亀裂”です。亀裂全体が見えてませんが、この画像でもわかるように、衝撃の強さがわかります。悪天候にやって岩に衝突し、その衝撃により被害者のなかには、振り落とされた方もいたのではないでしょうか。



乗客全員の命を奪った観光船カズワン沈没事故。本当の事故の原因は何だったのか?海上保安庁は本格的な原因究明と立件に向け、これまで十分な確認ができなかった船底部分などについても詳しく調べるということです。
事故は4月23日、知床半島の観光名所「カシュニの滝」付近の海域で発生しました。乗員乗客計26人のうち、14人の死亡が確認され、12人が行方不明のままとなっています。
(追記)船体に人が通れるくらいの穴

陸揚げ時「KAZUⅠ」の船底に穴や亀裂を確認しました。
知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」沈没事故で、1日に船体が陸揚げされた際、船底で穴や亀裂が見えましたが、船体の穴や傷は相当数あるということで、船内を区切る“隔壁”に穴が開いていたことも新たにわかったということです。
捜査関係者によりると、船体が2回、海底に落下した際にできたものも含めて、船体の穴や傷は相当数あるということです。 さらに、船内を区切る隔壁に穴が開いていて、どこから浸水しても、水が一気に広がる状態で、捜査関係者は、沈没原因の究明について、何か月もかかる可能性があるとみているようです。
一方、別の関係者は隔壁について、人が通れるくらいの穴が開いていると話しているということです。

第三管区海上保安本部の元本部長で、日本水難救済会の遠山純司・常務理事は隔壁について「一般的ですが、こういう(カズワンのような)小型の船であっても、船の底空間というのは、いくつか区切られている。区切られていれば、1か所、水が入ったとしても、すぐに沈没ということにはならない」と話しています。
隔壁が壊れていたり、人が通れるような大きな穴が開いていたりした場合、沈没原因の一つになりえると指摘しているということです。
その上で、捜査については「船にある全ての穴、亀裂、それから船体の上の方にあるハッチとか、扉とか、これがどういう状況になっていて、そこから水が入った可能性があるかというのは、全て確認する必要があると思う。傷を一つ一つ、科学的に分析しながら見る必要があり、早くても半年、1年前後かかるのが通常のパターンじゃないかと思います」と、捜査関係者と同様の見通しを示しています。

海上保安庁は、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長を立ち会わせ、更に詳しく船体の検証をすすめているということです。
(追記) 鈴木智也さん指輪を彼女に

鈴木智也さん(22)
5月2日、北海道知床沖で26人乗りの観光船が遭難した事故から10日目を迎えました。
また、5月2日に事故で死亡した鈴木智也 (22) の告別式が北海道帯広市で営まれました。
船に同乗していた女性はまだ発見に至らず、そして指輪も見つかってません。今も捜索が続く中、智也さんが船上でサプライズプロポーズしようと準備していた手紙が公開されています。
しかし、疑問点が残ります。というのは、未だに彼女は発見されていない、そして指輪も…ということは、本当は船上で智也さは彼女にプロポーズをしていたのではないでしょうか。そしてその時、指輪を渡し彼女の指にはめてあげたとも考えられます。そんな幸せな瞬間を迎えた時、突然として事故にあってしまったように思えてきました。彼女の指には智也さんにはめてもらった指輪が付けていて、そのまま暗く冷たい海をさまよっているのでしょう。
この事故は4月23日、乗客乗員26人を乗せ斜里町のウトロ漁港を出港した観光船「KAZU1(カズワン)」が事故を起こし遭難したもので、14人が死亡し、12人の行方がいまだ発見されていません。
5月2日実家がある帯広市で告別式が行われたのは、4月28日に海上で見つかりその後死亡が確認された北見市の鈴木智也さん(22)です。
智也さんは交際していた女性とともに観光船「KAZU1(カズワン)」に乗船し、彼女の誕生日のお祝いに指輪を持ち、船上でのサプライズプロポーズをしたとも考えられます。今回の事故がなかったらどんなに彼女は喜んだことか…。
知床遊覧船の会社社長の桂田精一氏のずさんな営業体制と安全管理をはじめ、素人同然の船長の豊田徳幸、そして長い間整備されていなかった観光船カズワンのせいで、この2人の幸せだけじゃなく、命をも奪った…。
本当に怒りと悲しみにつつまれます。
斎場には智也さんの写真含め、遺族が「暖かい服を着せたい」と用意したジャケットに加え、彼女に宛てて書き用意していたとされる手紙を写した写真が飾られています。
手紙は智也さんの車の後部座席のシートの下に、プレゼントとして用意したネックレスと共に残されていたということです。
そして、遺族の同意を得て全文を掲載し公表したとのことです。

鈴木さんが残した手紙
【鈴木智也さんが残した手紙】
誕生日おめでとう
きょうで(女性の名前)と出会って308日が経ちました。最初は本当に顔が小さくて可愛いな~っていい子だなって、それが今や彼女なんだよ!!!凄くない?本当に運命感じたし、こんなに気が合う彼女って他に居ないよ。 喧嘩だって無いし、本当にハタチか?ってくらい大人だよ。ととをここまで支えてくれて、好きで居てくれてありがとう。そして、ずっとずっと大好きです。 周りにどう思われたって2人で乗り越えていくって決めたし、環境が変わっても守るって、(女性の名前)は俺が大切にするって誓ったから。 これからも一生一緒についてきてください。産まれてきてありがとう。愛しています。嫁になってくれますか?7月7日に返事待ってます。
byとと 2022.4.23
手紙は智也さんが23歳の誕生日を迎えるはずであった7月7日に返事を求められる文章で締めくくられ、愛する女性にむけ思いの詰まった文章で終わっていました。
2日午前中の現地は風が強く波も高いため、水中カメラを使った捜索は行われず、捜索は難航していたということです。
彼女はまだ発見されていません。
(追記) 鈴木智也「船上でサプライズ」のはずが…

鈴木智也さん
北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船が遭難した事故
4月28日に海上で見つかり死亡が確認された北海道北見市の鈴木智也さん(22)の葬儀が5月1日に実家のある帯広市内で営まれたということでしす。
市内で1日午後6時に始まった智也さんの葬儀には、親族や高校の同級生などが参列しています。
父親の鈴木剛さん(51)が息子を奪われた深い悲しみを話してくれました。

鈴木智也さん(22)の父・剛さん
「智也は息子であり、親友。とにかくつらかった…。悔しい…残念です。これからの若い人生を思うと言葉にならない。ゆっくり休んでくれと…」と話していました。
ニュースでも報道されていましたが、悔しさと無念さが伝わってきて涙がでてきます。そしてやはり観光会社に安全管理の問題などを思うと怒りが込み上げてきます。
北見市に住む鈴木智也さんは、4月23日、知床半島沖で小型観光船カズワンのクルーズに交際中していたと思われる彼女と乗船、観光を楽しむはずが沈没事故の犠牲となりました。
父親の話では智也さんは、交際中の彼女を一生をかけたサプライズをする予定で知床旅行に連れ出したということです。
智也さんが船上で行うサプライズは、プロポーズすることだったのでそうです。
観光船が出た港近くの駐車場に止められた鈴木さんの車の中に、プロポーズを予定していた彼女宛ての手紙が残されていたということです。
智也さんの父親の剛さんは「上の兄貴が結婚したばかりなので、憧れと夢を持って本人も早く結婚したいという気持ちがあった。智也さんの車を回収するときに彼女に宛てた本人の手紙が出てきた。つらくて読めなかった。プロポーズということでサプライズを兼ねて用意していたものだと思う」 と話していて、悔しさの思いが伝わってきす。
また、父親の剛さん は「本来なら2人で見つかってほしかった…。一緒に連れて帰りたかった…。二度とこんな悲しいことはしてほしくない。運航会社には憤りだけです」と涙ながらに語ったということです。
通夜の会場には、冷たい暗い海に投げ出されて寒くて苦しい思いをした智也さんのためにと遺族が用意したダウンジャケットなどの防寒着や趣味だったバイクの写真が飾られていたということです。

智也さんのための家族が用意した防寒着

オートバイが趣味だった智也さん
カズワンの遭難事故では、1日午後9時までに乗客乗員26人のうち、14人が見つかり死亡が確認されていて、海保や海自、道警や地元観光船などは2日も捜索を続けていますが、悪天候に苛まれ難航しているということです。
そして、智也さんの交際相手の女性は、まだ見つかっていません。
(追記) 観光船「カズワン」発見
第1管区海上保安本部(北海道小樽市)は30日、北海道・知床半島沖で遭難した観光船「KAZUI(カズワン)」が発見された海底についてのデータを公表した。海上保安庁の測量船「天洋」が29日に実施した海底調査の結果で、船は海底で東西の向きで沈んでいるという。
29日午前11時すぎ、海上自衛隊の掃海艇「いずしま」が「KAZU1」と書かれた船を確認したと海上保安庁に連絡がありました。
いずしま (掃海艇)

1管本部によると、カズワンは救助要請のあった知床半島の「カシュニの滝」から、西に約1キロの海底に沈んでいるということで、天洋が搭載するビームを使った測定機器で調べでは、船は海底に船体を着けた状態で沈んでいるそうです。
担当者の話しでは、周囲の地形に10メートルを超えるような凹凸はなく、「海底はフラットなイメージ」だということです。
ただ船内に人がいるか、船体の損傷の有無はまだ不明だそうです。

海上自衛隊掃海艇いずしまが撮影した北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZU 1」(ロイター)
海上自衛隊の掃海艇が、水中カメラで船体を発見し、太陽光が届かず視界が悪い海底に「KAZU 1」と船首部に書かれた船が、船底を付けた状態で沈んでいるのが確認されたされました。
第1管区海上保安本部(小樽)は、この船を確実にカズワンと特定したようです。
カズワンの引き揚げには、多くのリスクと費用がかかるようで、現実的には厳しい状況だとのことです。
船舶の処分などに詳しい信太商店の信太裕介社長の話しでは「天候が変わりやすく波の動きも速い。季節的にすぐに作業をすることは難しい」と言い「300トン級のクレーン船や支援する船、作業員、ダイバーの手配が必要になる。順調に進んだとして、1億円はかかるだろう」と述べました。
今回の引き揚げにかかる費用は、原則的には運航会社「知床遊覧船」が負担することになるそうです。
国土交通省は、桂田社長が「可能な限り対応したい」と話してますが、どう思いますか?「可能な限り」では、「もしかしたら諦めるかも」って言っているようなものです。事故の事も人の命も軽く考えすぎです。ここで言うべき言葉は「絶対に」です。
今後の作業については「潜水士が船のエンジン部分をワイヤで巻いてクレーン船で引き揚げるが、難易度は高い。引き揚げの際に重さで船体が破損する可能性もあり、慎重な作業が求められる」と指摘しています。
調査は乗船者の捜索の一環で実施し、海保や海上自衛隊が水中カメラを使いって船内の確認作業を30日から船内の捜索を水中カメラで始めるということです。
行方不明者の捜索に協力している海上自衛隊が4月30日に海底に下ろした水中カメラに救命胴衣のようなものが映っていたそうですが、行方不明者かは確認できていないとのことです。
そして事故当日、118番に通報があったのは、船長からの携帯や船の無線ではなく、乗客からのものではないかとわかってきました。
観光船は沈没前に「浸水している。エンジンが使えない」と海上保安庁に通報しましたが、携帯電話の番号が船長や乗組員ではなく、乗客のものだったということです。
第一管区海上保安本部警備救難部 横内伸明次長は「カズワンからの通報という形でかかってきた電話は、乗客の方の携帯番号だという風には認識はしています。 少なくとも船長か乗組員の電話番号ではない」としています。
1日午後8時時点で、乗客乗員計26人のうち12人の行方が分かっていません。
豊田徳幸船長のフェイスブック顔画像とプロフィール
豊田徳幸で検索したところ、ヒットしました。



旧免許はパンチ的なやつで穴が開けられて、裏に「無効」と記載


北海道・知床半島沖で発生した観光船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」の事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は24日、カズワンの乗員2人は船長の豊田徳幸さん(54)=斜里町=と甲板員の曽山聖(あきら)さん(27)=東京都調布市=と発表した。
知床観光船KAZU1の会社は?
住所:〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東53
沈没した観光船はKAZU1(カズワン)という船であることが既に報道されています。
このKAZU1の観光船の会社は「有限会社知床観光船」ということがわかりました。そしてカズワンのほかにもKAZU III(カズスリー)という船を保有していることもわかりました。
この知床観光船について調査をした所、「船長は断崖のギリギリ付近を通ろうとする」ことが書かれていることがわかりました。
知床ウトロの観光船は、岸に沿って岬を北上しながら走る船で沖に出て走るのではなく陸地から離れず岸ギリギリを走るのです。
行方不明ということは最悪の事態が考えられます。
小型船は断崖の間近まで寄ることができるのが最大の魅力なので、船長さんは客を楽しませるためギリギリを攻めるそうで、座礁事故はけっこうあるといいます。しかし、今回のような事故を考えると危険な場所とわかっていながら岸近くを走るのは観光船の客側は楽しめるどころか恐怖であったでしょう。
知床遊覧船(カズワン)の浸水事故の場所と詳しい概要
知床遊覧船「カズワン」浸水事故の時系列まとめました。
午前10時00分
知床遊覧船「カズワン」が北海道斜里町ウトロの港を出港
(知床半島先端の知床岬で折り返し、午後1時に帰港予定)
午後1時00分
帰港予定の午後1時を過ぎてもカズワンが戻らない
午後1時15分
カズワンの乗員から海上保安庁へ「船首部が浸水し沈みかかっている」と118番通報
↓↓
海上保安庁より巡視船6隻、航空機2機を派遣(北海道放送によると航空機は4機)
午後4時30分
ヘリコプター1機が、現場の斜里町の「カシュニの滝」の周辺海域に到着し、探索開始。潜水士が2名帯同。
午後6時前
巡視船も現場海域に到着し、船体を捜索。
午後6時過ぎ
日没
午後7時40分
第一管区海上保安本部は、航空自衛隊に災害派遣を要請。受理される。
この順番に概要を更に詳しく伝えます。
現場でいったい何が起きたのか。
23日の出港から事故の通報、捜索まで、これまでの経緯をまとめてお伝えします。
観光船「KAZU 1(19トン)」が斜里町のウトロ港を出港しました。
NHKが斜里町のウトロの港に設置しているカメラには、23日午前9時50分すぎに乗客が次々と乗り込み、午前10時ごろに港から出発する様子が映されていました。

関係者によりますと、この船が観光船「KAZU 1」だということです。
子ども2人を含む乗客24人と船長と甲板員それぞれ1人のあわせて26人が乗っていて、知床半島の先端にある知床岬で折り返し、午後1時にウトロの港に戻る予定だったということです。
知床斜里町観光協会によりますと、運航会社は、23日、ほかの運航会社に先駆けて今シーズンの運航を始めたばかりでした。


また地元の漁協の組合長も取材に応じ観光船が出港する前、船長に対し「波が高くなるから出港しない方がいいと忠告したが、出て行ってしまった」と当時の状況を証言してました。
観光船と同じくウトロの港を午前5時ごろ釣り船で出港した男性は「午後からしけるという予報で、そのとおりに波が高くなってきていたが、船が走れないほどではなかった」と話しています。
観光船からの通報 救助要請
異変があったのは、出港からおよそ3時間後でした。
午後1時13分、観光船から無線で連絡を受けた別の運航会社から海上保安庁に救助の要請があったとのことです。
「『カシュニの滝』付近で沈みかかっている。浸水している」という通報でした。

午後1時18分、この船から直接「船首が浸水している。エンジンが使えない。救助を頼む」と海上保安庁に118番通報があったようです。
午後2時55分には、観光船の運航会社から「KAZU 1から『船が30度ほど傾いている』と午後2時ごろの連絡を最後に連絡が途絶えている」と海上保安庁に連絡があったとのことです。
乗客について、運航会社は海上保安庁に対し、全員救命胴衣を着用していたと説明しているということです。
気象台によりますと、事故当時、周辺の海域の波の高さは3メートルで、強風と波浪の注意報が出ていたことがわかっていました。
以前、知床の観光船の船員だった男性によりますと、現場のカシュニの滝付近について「潮の流れが速いほか、暗礁があり危険な場所だ」と話しているようです。

暗礁の大きさはおよそ縦30メートル横10メートルほどで、この場所を行き交う観光船は十分に注意しながら航行しているということです。
またこの海域は北西の風が吹くと波が立ちやすく、操船が難しくなるのだそうです。
海上保安庁捜索開始 23日は手がかりなし
通報を受けた海上保安庁は巡視船と航空機で救助に向かいました。
現場付近の海域には午後4時半ごろにヘリコプターが到着しました。
ヘリコプターは釧路の基地から出発してますが、知床半島からおよそ160キロ離れ飛行時間だけでも1時間以上かかるとのことです。

航空機は別のパトロールをしていたため、いったん基地に戻って給油を行ったり、潜水士を乗せたりする準備が必要だったようです。
こうした準備の時間を含めると、通報から現場到着まで3時間以上かかったらしいです。
磯崎官房副長官は25日、午前の記者会見
「海上保安庁の捜索部隊が現場に到着するまで時間がかかった理由はなぜか」と問われたのに対し「午後1時13分ごろに救助要請を受けた。最も近い釧路航空基地所属の回転翼機は当時、哨戒業務中で現場海域が遠方で、つり上げ救助などの活動時間を確保するために燃料を補給する必要があった」と述べた。
そして「救助活動を行うための海上保安庁の潜水士を同乗させる必要があったことから、午後2時38分に釧路航空基地へいったん帰投し、給油活動および潜水士を同乗させたのちに午後3時20分に基地を出発し、午後4時30分に現地付近海域に到着した」と述べました。

また、船による救助について「航空機と同じく、午後1時22分ごろに道東を管轄する部署に所属する巡視船に対して発動の指示を行った。通常の速力であれば、より早期に現場付近に到着できたと考えられるが、当日、海上が荒天下だったため通常の速力が出せず、最初に到着した巡視船も、午後5時55分に現地付近に到着した。海上が非常に荒天だったことが通常よりも時間がかかった原因だと認識している」と述べました。
さらに、災害派遣要請を受けた航空自衛隊も捜索を行われました。
しかし23日、乗客と乗員の手がかりはみつからず、捜索は夜通し行われたようです。
捜査2日目の24日午前5時5分 最初の行方不明者を発見
24日も行方不明者の捜索が続けられてました。
この日から、地元の漁業者を含め、道の防災ヘリコプターも捜索に加わり協力、態勢が強化されることにました。
そして、午前5時5分、警察の航空機から知床岬の先端の海上で3人を発見したと連絡が入ったとのこと、救助活動が行われました。
さらに午前5時45分には海上保安庁の航空機が知床岬の先端の岩場で1人を発見したとのことでした。
その後も行方不明者の発見が続き、24日は夜11時すぎまでに子ども1人を含め、合わせて11人が発見され、その後、全員の死亡が確認されました。

現場付近の様子を上空からの映像公開

第1管区海上保安本部は、24日の捜索中に撮影された画像2枚を公表しました。
このうち知床岬の先端付近で撮影された画像には、潜水士2人が岩場にいた1人を救助している様子が写っています。

25日沈没から3日目も捜索続ける

事故から3日目の25日も範囲を広げて捜索を続けていました。
斜里町のウトロ漁協では、25日朝も漁業や観光船の関係者などが捜索の範囲を確認したあと、次々と出港していました。
ウトロ漁協の深山和彦組合長は「きのうより波が収まっているので、行方がわからなくなっている人を少しでも早く見つけたい」と話していました。
船舶事故調査官が情報収集
25日午前、国の運輸安全委員会の船舶事故調査官3人は北海道斜里町役場のウトロ支所に設けられた現地対策本部を訪れました。
続いて正午ごろ観光船の運航会社、「知床遊覧船」の事務所に入り、従業員から話を聞きました。

社長への聞き取りは救助や遺族対応の支障とならないよう、25日は行っていないということです。
さらに午後2時ごろには地元の漁協を訪れ、現場海域の特徴などについて情報を確認したということです。
25日の日程を終えた大熊寛章 統括船舶事故調査官は「事故当時は天候が悪かったと聞いているので、海面や天候の状況を分析していく。今後は、関係者や地域をよく知る人から気象や船体についての情報を収集していく。船体が見つかっていないので、可能な限り船体に関する情報を多方面から収集したい」と述べました。
船舶事故調査官は26日も情報の収集と分析を続けることにしています。
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