廣瀬爽彩

2021年3月に旭川の公園で遺体で見つかった廣瀬爽彩さん
廣瀬さんの凍死事件に対する市や学校側の対応は?
2021年3月、旭川市の公園で凍死していた当時の中学2年生、廣瀬爽彩さんがいじめを受けていたと旭川市教委の第三者委員会が認めたことを受け、末松文部科学大臣は19日の閣議後の会見で「いじめの認知が不十分だったことは大変遺憾だ」と述べ、学校や市教委の当初の対応を批判しました。

遺族側に開示された北海道教育委員会の文書
開示された文書や遺族の代理人弁護士によりますと、廣瀬さんは2019年6月、市内の公園で他の生徒らとトラブルになり、川に入り自殺を図ろうとしていて、その際川に入った状態で学校に電話し、教師に「死にたい」と訴えていたということです。

廣瀬さんが飛び込んだ川
北海道教育委員会は、「いじめの疑いがある」として旭川市教育委員会に対応を指導しましたが、市教委や学校はいじめと判断をしませんでした。
2021年3月、旭川市内の公園で凍死していた当時中学2年生の廣瀬爽彩さんについて、旭川市教委の第三者委員会は調査開始から11か月近く経った3月15日に中間報告を出しました。
この中で第三者委員会は、廣瀬さんに対して性的な話題を繰り返す、性的な画像の送信を強要する、深夜に呼び出すなど、上級生らによる6項目のいじめ行為があったと認定しました。
最終報告は8月に出る予定でした。
第三者委員会の調査の進捗状況について、末松文部科学大臣は「遺族側が調査に時間がかかっているということに不満を持たれていることについては本当に重く受け止めなければならない」との認識を示しました。

末松文部科学大臣(19日・閣議後会見)
廣瀬さあやさんの凍死事件を「いじめ」が原因と認定
北海道旭川市で2021年3月、中学生が凍死した状態で見つかった問題。
旭川市の第三者委員会は4月15日に会見を開き、いじめと認定した事案の詳細に加え、7人の生徒がいじめに関与していたことを明らかにしました。
旭川市教委 黒蕨 真一 教育長:「ご遺族の皆さまに、多大なるご心痛とご負担をおかけしたことを大変申し訳なく思っており、この場をお借りしまして深くおわび申し上げます」
この問題は2021年2月、当時中学2年生の廣瀬爽彩さん(当時14)が行方不明となり、1か月後に旭川市内の公園で遺体で見つかったものです。
さらにその1か月後、週刊誌でいじめの可能性があると指摘する報道を受け、旭川市教委は「いじめの重大事態」と認定した。
その後、第三者委員会を設置し調査が行われることになりました。
当初は、2021年秋にも調査結果が遺族に報告される見込みでしたが、一向に進まない調査に遺族は疑問を投げかけていました。
廣瀬さんの母親:「報告という報告は特にない。調査をもう少しスピードアップしてほしい。いじめの有無だけなら(2021年)12月末までに報告をまとめられるのではないか」

謝罪する旭川市旭川市教育委員会の黒蕨真一教育長は「いじめに気づくことができず、申し訳ない」などと謝罪しました。
廣瀬さんが在籍していた学校の校長は「ご遺族に対し、心からおわび申し上げます。学校としても公表された内容を精査し、それを踏まえ、いじめ防止等に全力で取り組み事で、生徒、保護者、地域の皆さまからの信頼の回復に努めてまいります。教職員が一丸となって、生徒が安心して学び、生活できる学校づくりに努めてまいります」とコメントを出しています。
旭川市 今津 寛介 市長は「(報告書は)非常に感情がないというか、無機質な印象を率直に受けている。(遺族が)要望があるとすれば、それは真摯に受け止めていかなければならない」と思いを述べてます。
また、北海道 鈴木 直道 知事は「旭川市においては、全容の解明、内容を踏まえて中で再発の防止に取り組んでもらいたい」と強く訴えを残しています。
廣瀬さあやさんに7人が行った「いじめ」の真実
第三者委員会が「いじめ」として認定した6項目、これらに7人の生徒が関わっていました。
・性的行為の強要
・性的画像の撮影と送信の強要
・菓子など物をおごらせる行為
・深夜の呼び出し
・廣瀬さんをからかい続け、パニック状態の本人を突き放す不適切な発言
・性的な話をされたあと、体を触られるなどした事案
以上のことを挙げている。
精神的に追い詰め 性的行為を強要
廣瀬さんは気温が氷点下17℃だった昨年2月13日に失踪し、3月23日に雪の積もる公園で凍死しているのが見つかった事件です。
失踪当日に死亡したとみられる4月13日、廣瀬さんが性的行為を強要されていたなどと報道し問題が表面化しました。
第三者委の報告によると、7人はいずれも上級生だとわかった。
同じ北星中学に通っていた男子生徒(A、B、C)と女子生徒(D)、別の中学に通っていた男子生徒(E)と女子生徒(F、G)。
加害者の名前が公表されていない為、A・B・C・D・E・F・G としています。
6項目は下記の通りです。
① A、B、Cは2019年4月、廣瀬さんも含めたLINEのグループ通話で性的なやりとりを繰り返し、Aは性的な意味で広瀬さんの体を触った。
② 3人は同4~5月、深夜や未明に公園に集まろうと連絡したが、自分たちは行くつもりがなかったのに廣瀬さんには伝えなかった。
③ Dは同5~6月、お菓子などの代金を負担させる行為を繰り返した。
④ Eは同6月3日、性的な話題を長時間にわたって続け、性的な動画の送信を繰り返し求めた。
⑤ C、D、E、F、Gは同6月15日、廣瀬さんに性的行為に関する会話をした上、性的な行為をするよう要求、あるいは静観していた。いずれも廣瀬さんが性的行為をする状況を見ていた。
⑥ Eは同22日、廣瀬さんをからかい、嫌がる反応をした後も繰り返した。廣瀬さんがパニック状態になった後も、Dは突き放すような発言をしたなどとしている。
全国紙社会部デスクにより
② では午前4時に公園に呼び出され、母親が止めても「行かなきゃ」とパニックになったこともあった。
③ では、別の友人に負担させられた具体的な金額を挙げて相談していた。
④ では「裸の画像を送って」「(送らないと)ゴムなしでやる」などとしつこく要求され、恐怖のあまり送ってしまったらしい。
⑤ では公園に居合わせた小学生らに「裸の画像を送らされたり、わいせつなやりとりをしたりしていた」と教え、さらに「いま、ここでやってよ」と強要。取り囲まれた廣瀬さんは逃げることもできなかった。
⑥ はウッペツ川の土手で「画像を流す」とからかい、廣瀬さんは「死ぬから画像を消して」と懇願。2人は「死ぬ気もないのに死ぬとか言うな」とさらに詰め寄り、廣瀬さんはパニックになって川に飛び込んだとされる。
この6項目は、現在確認されたことがわかってますが、ほかにも表面化していない事案があっただろうと思います。
母親にせせら笑った教頭山中岳の顔
教頭は証拠LINEを撮影し「調査します」と言ったのに…
母親は、事件後、爽彩の携帯電話のLINEを確認し、加害生徒にわいせつな画像を送らせられたり、脅されていたことを知りました。
そのメッセージについて、警察に相談に行こうとしたのですが、その前にY中学校の教頭にも『こういうものが見つかった』と報告したのです。
教頭からは『イジメの証拠はあるんですか? あるなら警察へ行く前に見せてください』と言われ、学校のミーティング教室で爽彩がわいせつ行為を強要されているLINEの画像を直接見せたそうです。
教頭は『写真を撮らせてください。すべて調査します』と、イジメの証拠となるLINEメッセージや画像を1枚1枚、携帯電話のカメラ機能を使って撮っていました。
母親はY中学校を信頼して警察よりも先に相談したのです。
あの証拠のLINE画像をY中学校は間違いなく把握していた。
それなのになぜ『イジメはない』という結論に至ったのか、真相を必ず明らかにしてほしいと訴えてました。
すると教頭からとんでもない言葉で返された。
中山岳教頭は廣瀬さあやさんの「悪ふざけがすぎただけで、(加害生徒らのことを)悪意や悪気はなかったんです」という説明を舌上でいじめがあくまで「単なる悪ふざけ、いたずらの延長」と母親に説明されたそうです。
しかし、実態は報道されてあるとおり集団で寄ってたかって猥褻な行為を強要したり、猥褻な画像を撮影しばら撒く行為などが行われていた。
「とてもじゃないけど悪ふざけで済む問題か!」
こんな信じられないやり取りの中で教頭は
「じゃあお母さんは、どうしたいんですか?」
「どうしてほしいんですか?」
という対応しかしてくれなかったといいます。
母親はそれでもう泣くことしかできなかったそうです。
「単なる悪ふざけで、いたずらの延長」と主張する教頭に対し、爽彩さんの母親は「じゃあ、娘の記憶を消してください」と発言。
教頭は「頭おかしくなっちゃったんですか? 病院に行ったほうがいいですよ」などと言い放ったそうです。
本当にぶっ飛ばしてやりたいと思いました。
動画や写真を所持していた、完全に児童ポルノ法違反です。なんのために? 教頭は他の加害者らと一緒に楽しんでいたとしか思えません。
前述のデスクでは、加害者側は画像や動画をSNSで拡散していた。 「自分の中学だけでなく、ほかの学校の人たちも自分の画像や動画を持っている」
その事実は思春期の女子中学生がどれほど恥ずかしく、怖かったことだろうか。加害者側はそこにつけ込んで時に脅し、からかい、あざけり、精神的に追い詰めていったということ。
北星中学入学時から ⑥までの間、廣瀬さんは担任教師に相談したんだそうです。しかし「相手に内緒で」と約束したのに、その日のうちに相手に話た担任教師。担任も関わっていた事も疑わなければいけない人物だと思われます。
いじめがエスカレート。
母親も「ママ、死にたい」「いじめられている」と漏らすようになった娘を案じ、学校に指摘したようですが「遊びだった」「いたずらの度が過ぎただけ」と、まともに取り合わなかった。
対応に当たった教頭の対応(1人の生徒を救えない人間です)共犯か?
「加害者10人と、被害者1人の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人をつぶしていいんですか。どちらが将来、日本のためになるか冷静に考えてください」と加害者側を擁護。
さらに「これ以上、何を望むのか」と逆ギレし、母親が「できないのは分かっているが、娘の記憶を消してください」と求めると、教頭は「頭がおかしくなったんですか。病院に行ったほうがいい」とせせら笑ったと行ってます。
本当に感情的になってしまう内容です。
しかし ⑥の目撃者が警察に通報し、経緯を調べた旭川中央署が一連の実態を把握することとなり、加害者側は画像を削除するなどして証拠隠滅を図ったが、同署がデータを復元し画像や動画を発見したのです。
母親は、警察から事実関係を知らされた上、画像や動画を提示され、どれだけ強いショックを受けた事でしょう。
廣瀬さんは ⑥で病院に搬送され入院していたが、北星中学を信用できなくなっていたため退院後の8月に別の中学に転校した。
その後も廣瀬さんは心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみ続け、過呼吸やおう吐を繰り返し、時には突然「先輩、許して!」「殺してください!」と叫んだり、卒倒したりすることがあったといいます。
転校先にも通えずにいたらしく、昨年2月13日、自宅から行方不明になった廣瀬さあやさんは、3月23日に変わり果てた姿で見つかりました。
葬儀には北星中学の関係者は誰も参列しなかったそうです。
いじめ「重大事態」の認定を 市教委が避けたかった理由
一方 ⑥を受け、市教委は北海道教委に「いじめ」が原因で発生したのではなく「わいせつ・自殺未遂事案」として報告した。
その後も道教委からの廣瀬さんに対する聞き取りなどを要請されても、加害者側の主張を追認して「いじめ」の存在を否定し続けたようです。
前述のデスクは「いじめ防止対策推進法に基づく『重大事態』と認定したくなかった半面、わいせつ問題をすんなり認めたのは、過去に隠蔽を図り失敗したトラウマがあるのでしょう」と解説しました。
推進法は、学校や市教委の隠蔽や責任逃れをしたことが原因で起きた「大津市中2いじめ自殺事件」が契機となって成立した。
この重大事態に認定すると、警察を含めた関係各所との連携など、とにかく「大事」になる。
学校や教委としても不名誉で、北星中学や市教委が認定を避けたかったという思惑があっただろうことは推測できる。
一方の「トラウマ」だが、旭川市では1996年、市立中学2年の男子生徒複数が特定の女子生徒にセクハラ行為を繰り返した末、エスカレートして強姦事件にまで発展し、学校は女子生徒から相談を受けていたがスルーし、事件後も隠蔽を図ったことが発覚して批判を浴びていた。
今回の問題は、北星中学の教諭らが広瀬さんの相談にきちんと耳を傾けて対応し、再発防止に真剣に努めて心のケアに取り組んでいれば避けられた悲劇という事は明確、北星中学や市教委は大津や前回の事件から、何も学んでいなかったということです。本当に腹が立ちます。
教育委が言う「いじめ」 実態は悪質な犯罪
教育委員会などが言う場合とか、オブラートがどうとか…どうでもいいです。
確実に「いじめ」実態は悪質な犯罪です。
① 殴ったり蹴ったりすれば「暴行罪」
② けがをさせれば「傷害罪」
③ 金銭を脅し取れば「恐喝罪」
④ 万引などを命じれば「強要罪」
⑤ 私物を持ち去って隠せば「窃盗罪」
⑥ 「死ね」などと脅せば「脅迫罪」
⑦ 私物に落書きすれば「器物損壊罪」
この事件では、旭川中央署はEの行為について児童買春やポルノ禁止法違反(製造、所持)に抵触すると判断したが、当時14歳未満だったため刑事責任を問えず、「触法少年」として厳重注意にとどまったらしいです。
ほかの上級生らも同法違反(所持)などで調べ、いずれも証拠不十分でおとがめなしだったという事です。
今回、加害者側は誰一人として罪に問われなかったが、彼らが廣瀬さんを死に追いやったことは誰の目にも明らかです。
加害者側は問題が発覚しそうになったとき、証拠隠滅を図ったり、口裏合わせをした問題発覚後も、一部の事実関係を認めながらも反省のそぶりはなく、謝罪も口にしていないそうです。
いじめをめぐっては、2019年6月に廣瀬さんは体を撮影した画像を送信させられていて複数の生徒とトラブルとなり、入水の自殺未遂を図っています。
別の中学校に転校した広瀬さんは、2020年5月に「いじめを受けていた」とSNSに匿名投稿して2021年2月に行方不明に、翌3月に遺体で発見されました。
2021年4月、旭川市教委が「いじめの重大事態」認定しました。
2022年3月、第三者委が「いじめ」と認定し、今回の発表に至っています。
廣瀬爽彩のSOS
広瀬さんは生前、周囲にSOSを発信していた事実も明らかになっています。
廣瀬さんが中学校に入学した直後の2020年6月にトラブルになった複数の小中学生に囲まれて川に飛び込んだ際、川に入ったまま学校に電話し、泣きながら「死にたい」と繰り返し教師に訴えていました。
その事実を受け、道教委はいじめの疑いがあるとして旭川市教委を指導しましたが市教委は、学校などに聞き取りを行うだけで、いじめとは判断しませんでした。
さらに廣瀬さんは生前、インターネットを通じてもいじめを相談していたことがわかっています。
廣瀬爽彩さん(当時14)は「いじめを受けていたんですけど、そのいじめの内容が結構きつくて。先輩にいろんなものをおごったり、学校側もいじめを隠蔽(いんぺい)しようとしていて。人が怖いし、人と話すのも苦手だし、人に迷惑をかけるのも怖い」とSOSをだしていました。
ツイッターでは「私は前の学校でいじめを受けていました。その時、私は死にたくて死にたくて仕方なかったのに。何もかもが怖くて怖くてたまりません」SNS上に残された悲痛な叫びもあったことがわかっています。
廣瀬さんの母親は「どんないじめを受け、どれほど深く傷つき、悩み苦しんでいたのか。このツイッターには、そのときの思いが残されたままです」とコメントしています。
廣瀬爽彩の母親の心境と加害者への思い
廣瀬さんの母親も学校に相談しましたが、取り合ってもらえなかったといいます。
廣瀬さんの母親は「学校側からは、いたずらの度が過ぎただけ、悪ふざけただけだったとずっと言われていた。取り合ってもらえないと感じていた。何をされたらいじめなのか。どこまでされたらいじめなのか。されたことは、いじめ以上にひどいことじゃないのかとずっと思っていた」と語っていました。
また、「ようやく、いじめが認定されました。今も心が折れそうになることがあり、この1年は、ずっとその繰り返しでした。自分の進んでいる方向が正解かどうかも分からず、ずっと自問自答しています。学校は誰が見てもいじめだと分かる状況だったのに、どうして「悪ふざけ」だと言えたのでしょうか。なぜ「いじめ」ではないと断言できたのでしょうか。今でも疑問です。私は、娘が苦しんでいるのをずっと目の前で見てきました。亡くなる直前まで苦しんでいた、あのときの姿を思い出すと、本当につらくて、つらくて、涙がこぼれてきます。あのとき、いじめだと認めてほしかった。いじめは人の命を奪う恐ろしいものだということを、加害生徒たちは自覚して、命の重さを感じてほしいと願っています。」とこの事件を改めて振り返り、廣瀬さあやさんの母親は、加害者達の公正を願うと共に、行ってしまったことを一生忘れる事なく、人として救う側の立場になって欲しいと訴え語りかけていると思います。
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