建築物の防水層は、建築物の最上部の屋上やベランダなどに施工されているので、常に雨水や太陽光における紫外線うけていて風や気候の寒暖などに晒されています。そのため、年月が経つにつれて劣化が起こり徐々にその機能が低下していきます。
この記事では、メンテナンスをする為に防水層がなぜ劣化するのか? その原因と対処法について簡単にまとめてみました。
防水機能を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必須となります。
建物の主な雨漏りの原因
◉外壁目地の老朽化によりコーキングが剥がれた。
◉屋根の下側のアスファルト含浸紙が破れた。
◉太陽光の紫外線でFRP防水層やウレタン防水層にヒビが入った。
◉鳥が啄んだため防水シートに穴が開いた。
◉単純な建物の設計ミスのために軒が無かったり屋根の勾配が緩やかすぎるため雨水が逆流した。
◉天窓や出窓の設置場所に問題がある。
◉窓や換気口などの開口部の周りの防水処理が入念に施されていなかった。
◉排水用ドレン周りとサッシ周りに多いく単純な施工ミスにより隙間ができていて雨水が浸入。
◉屋上やバルコニー等のメンテナンスや清掃をせずに放置していたら、排水用ドレンに砂土や枯葉などで目詰りして雨水が屋根に溜まっていた。
◉砂土に生えた植物の根が建物を貫通しその穴から雨水が浸入。
◉築年数が経ちすぎ、屋根の瓦が割れたり剥がれたりして防水シートが剥き出しになり傷んでいた。
◉外壁のシーリングがひび割れていた。
◉後付けで屋根に太陽光発電のためのソーラーパネルを設置する時の人為的ミスにより屋根の防水層に穴が開いていた。
◉地震のため建物の外壁が歪みヒビが入った。
◉台風の強風で屋根の瓦が飛ばされ防水層が傷んでいた。
◉単純な防水層の手抜き工事や施工ミスのために欠陥箇所があった。
以上が雨漏れの原因になります。、雨漏りをしている状態を放っておくと、深刻な被害に発展する可能性があります。屋根や屋上の防水層の点検は定期的に行い、もし雨漏りが発生した場合は、出来るだけ早急に対処するようにしましょう。
メンテナンスと対処法
一般の方でもできるメンテナンスと対処法を紹介しましょう。
◉屋上やバルコニーの防水層が劣化してくると保護塗料が遜色してきます。保護塗料(トップコート)の塗り替えが必要。
◉工法によっては防水層に膨れが発生してきます。膨れて傷んだ箇所を除去して修繕が必要。
◉シート防水の場合、シートが破断したり場合によっては損傷していることがあります。シートの修繕や張り替えが必要。
◉押さえコンクリートに亀裂が入ったり、そこから植物の種子が混入して生育している場合もあります。これは植物を除去し、亀裂を埋めて、防水層を修繕が必要。
◉水分排出用ドレンの部分に砂土が堆積し、そこに植物が生育している場合もあります。砂土と植物を除去し植物の根っこはコンクリートを貫通している為、早急な対応が必要。
◉防水層の劣化を放っておくと劣化した部分から雨水が侵入し、場合によっては防水層の裏側に水分がまわってしまい膨らんでくることや塗膜防水が破断してコンクリート成分が染み出したりすることもあります。劣化した部分は修繕する必要。
メンテナンス・防水工事の種類別
シート防水はフラットな場所だと余計なコストをかけずにすみますが、凹凸があるような場所には施工しにくいです。また、どんな場所にも使いやすいウレタン防水ですが、メンテナンスはこまめに必要。
シート防水 | ウレタン防水 | FRP防水 | アスファルト防水 | |
耐用年数 | 10~20年 | 8~12年 | 12~20年 | 15~25年 |
メリット | コスト安め | 場所を選ばない | 軽くて丈夫 | 頑丈 |
デメリット | 場所を選ぶ | 寿命が短め | コスト高め | 重い、工事が大がかり |
向いている場所 | 広くてフラットな場所 | オールマイティ | ベランダ | マンションやビルの屋上 |
不向きな場所 | 凹凸や傾斜がある場所 | 特になし | 広い面積 | 小規模な建物 |
まとめ
建物にとって水は大敵です。防水層が劣化して内部に水が入ると見えない部分が腐食したりカビが生えたりと、建物自体を傷めてしまいます。
年に最低1回は防水層に異常がないか目視で点検しましょう。ヒビや割れなどは誰でもすぐにわかります。
年に2~3回は水分排出用ドレンの周りの点検と清掃をしましょう。
専門業者に相談し防水健康診断を定期的に受けること、定期的なメンテナンスと清潔に保つこと、異常があった場合の早急な対処、これらが防水を長持ちさせる最良の方法です。劣化が進めば修繕に時間も費用もかかります。できるだけ早いうちに対処することをお勧めします。
私たちが定期的に健康診断を受けるように、日々お世話になっている建物にも定期検診が必要です。今お住まいの建物の健康を維持していけるよう定期的にメンテナンスを行いましょう。
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